カモシカの仔

カモシカ

 早池峰神社の宵宮の17日、荒川高原の帰り道、カモシカの仔が林道にただずんでいた。
 今月見た野生の哺乳類は、キツネ1、タヌキの仔1、アナグマ1。どれも梅雨の夕暮れのしとしと雨の薄暗い道路上で、単独だった。
 この時期は、草木も繁って、生き物の気配が濃い。

出口

       
 10ウン年かけてつくってきた林道が、出口を求めて最後の橋を架け、まもなく全体が繋がろうとしている。
 全長約9キロの林道をつくっている間に、時代は確実に変わった。
 当時なかったコンビニやサービス関係のチェーン店が、バイパスという新しい動脈を得て、田んぼに取って替わっていく、そういう変化が、遅ればせながら、この土地の、この10年にやってきた。
 ほんの少しずつだけれど、なにかが確実に変わりつつある。それがいいことか悪いことかはわからないけれど、砂浜で足元の砂が掘られるように、あるいは北極圏の氷河が溶けるように。
 そんななかだかこそ、出口を見出しつつあるこの林道もきっと、当初の使用目的とは違った役目を担ったほうが幸せにちがいないと思う。その答えを用意しよう。

フサスグリ


 写真はフサスグリ。赤くて酸っくてほんのり甘い実がなる。なんでも寒さにはたいへん強く、−35度まで耐えるのだという。その代わり、暑さには弱いとのことで、遠野のような寒冷地向きの果実。

東京にちょっと不適応

 久しぶりに出張で東京に行った。暑い。人が多い。刺激がいっぱい。東京駅の構内で人をぶつからないようにうまく歩けない。スピードをだして、軽やかに歩いているつもりだけれど、対向してくる人と避け方のタイミングが合わないというのか。あと、エレベーターの乗り方も下手になった。東京大丸のエレベーターは、コンピュータ制御のハイテクエレベーターではないと思うけれど、4つぐらいあるうちのどれが最初に降りてくるか、ということが読めない。スーパーのレジでどこが早いのか、と同じ感覚で判断していると思うけれど、最近、はずれっぱなし。どうも、都市とうまくやっていく感性が鈍っているなあ。それはそうとて、文庫本を読むのが帰りの列車の車内での楽しい時間だった。3時間の東京〜新花巻が、仮眠も含めて、いい時間帯で。移動中の、しょーがないよね、という贅沢な時間。ただ、やっぱ、ちょっと寝不足つづき。