きれいな水、おいしい水

 いま住んでいる住宅は、沢の水を建物に引いている。沢水は表流水なので、雨が降ればにごることもある。それでも森のそちこちから集まった水が小さな流れをなし、それを水源として、年中おいしい水を飲むことができるというのは、贅沢なことだと思う。東京では飲料水としてコンビニでペットボトルをほぼ毎日買う、ということが習慣だったけれど(マンションの屋上タンクから来る水はとても飲用とは思えないものだった)、こっちに来てコンビニで水を買ったことはない(お茶やコーヒーはしばしば買うけれど)。きれいな水の豊かさを享受できる、という一点だけで相当幸福なことなのだ、と思った。