相手に気づくとき

2003 Zin in Mountain

 家にはネコとかイヌとか馬とか(放牧中)フナとかイモリなどのペットがいて、家の外には木や草がそこらじゅうに生えていて、その世界で虫や鳥や獣やなにやかにやが生きていて、それぞれの暮らしをそれぞれのペースでやっている。
 しかしおなじ空間と時間を共有しているようで、あんがい互いの存在すらわかっていない時間のほうが圧倒的に長いのではないだろうか。相手に対して無自覚というか、互いが互いを背景としてぐらいしか認知していないというようなほうが通常のような気がする。
 互いの存在に気づくときは、安心か不安か、快か不快か、好きか嫌いかといった気持ちのありようがはっきりくっきりしていたり、あるいは、敵対関係というのだろうか、互いの存在に気づいたときには、相手を食べるか、相手に食べられるか、というような緊迫した場面のときのほうが多いかもしれない。
 そんなことを、夏に向かっていくこの時期の、この界隈の、生き物連中たちのそれぞれの営みの熱心さから思う。