郵便屋さん

 都会とここの暮らしで違うことのひとつに郵便屋さんがある。都会の郵便屋さんは郵便物を各戸に届ける仕事をするよく知らない人、というのが普通だと思うが、ここではそうではない。郵便物も届けてくれるよく知っている人、というのが普通だったりする。
 それから郵便物というのは住所と宛名のセットで届けられるものだが、ここでは宛名優先で、こっちに届けたほうが確実にその当人に早く届く、という判断をしてくれているようで(憶測だけれど)、表記された住所ではなく、自宅のポストに届けてくれることがある。こうなると、地域密着型の柔軟ですぐれたサービス業として郵便屋さんがあるのだなと思う。
 もっともライバルの宅配屋さんも負けてはいない。近所の地元ガソリンスタンドで給油している僕の車を見かけて(車を覚えているのだ)、停車して、届け物をいま渡していいですか、とか言いながら、その場で渡されたりする。
 ま、狭い世間だから、といってしまえばそれまでのことだが、そういう世間だからこそ、かえって流通の末端=片田舎におけるサービスが都市よりも柔軟でありがたいものがあるのだよ、というお話である。

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