森はやっぱり生きている!?

tokuyoshi2005-06-04

 娘と森を歩いた。8歳の女の子の目線と皮膚感覚は、低く、近く、細かく、鋭い。彼女のガイダンスにしたがって歩くと、平凡な雑木林が、複雑怪奇な相貌をあちこちに覗かせているひとつの意思もつ化け物的な生命体のように思えてくる。いま住んでいる建物をぐるりとこの森が囲んでいることを思うと、「!」と、言葉にならない気持ちが沸き起こる。自然、とはいうが、到底、人には勝ち目のない連中であり、繁殖し侵食しあう生命たちの物言わぬ美しさと裏腹の残酷さとすべてを覆い尽くそうとする力に身震いする。